第475章

佐藤玲奈は黙った。どうせ高橋日菜は追い払えない。なら、好きにさせておけばいい。

それから玲奈はまた作業場に籠もり、目が回るほど働いた。次に作業場を出たときには、もう夕方6時。高橋日菜の姿はすでになかった。

去ったこと自体、玲奈は気にも留めない。書類をさっと片付け、帰宅の支度をしようとした、そのとき――。

スマホの着信音が鳴った。堀田おばあちゃんからだ。

「おばあちゃん」

玲奈が出ると、柔らかな声で呼ぶ。

「ええっ!」向こうはやけに嬉しそうだった。「玲奈、もう上がったでしょう。こっちの旧宅に来て、ばあちゃんとご飯食べていきなさい」

「はい」

玲奈は迷いなくそう答えた。

息を切...

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