第476章

佐藤玲奈が堀田知也と一緒に病院へ駆けつけたとき、霧雨縁はすでに手術室へ運ばれていた。手術室前の長い廊下では、八代倫也が壁にもたれ、険しい顔で煙草を指先で弄ぶように吸っている。

慌ただしい足音に気づいたのか、八代倫也はちらりとこちらを見た。すぐに吸い殻を揉み消し、淡々と言う。

「来たか」

堀田知也は小さくうなずいて応じた。

その場に、しばし沈黙が落ちた。

やがて堀田知也がゆっくり口を開く。

「……どうだ」

八代倫也はわずかに眉を寄せた。喉仏がごくりと上下する。だが言葉は出てこない。

佐藤玲奈は目を細め、八代倫也を疑うように見つめた。何があったのか問い詰めたい。けれど霧雨縁はいま...

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