第485章

「中に入って、あの子を見てもいいですか?」

佐藤玲奈が小さな声でたずねた。

蝶野諭介は顔を上げて玲奈を見た。目は真っ赤で血走り、深い瞳の底で渦巻く憎しみが隠しようもなく滲んでいる。

「いい」

かすれた声だった。

「佐藤玲奈……頼みがある」

「なに?」

「花舞のこと、頼む。……俺は、どうしても自分で片をつけなきゃいけない」

妹を弄んだ連中は警察に引き渡した。だが蝶野諭介は、やられっぱなしで終わる性分じゃない。檻の中でぬくぬく暮らせると思うな――そういう話だ。

佐藤玲奈は黙って諭介を見つめ、ゆっくり頷いた。

諭介は組の手下を二人、病室の前に立たせると、険しい顔のまま足早に病院...

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