第503章

堀田知也が部屋に入ると、ベッドの上は空っぽで、浴室からはしゃらしゃらと水の音だけが聞こえてきた。

彼はわずかに眉をひそめ、ベッドに腰を下ろして佐藤玲奈が出てくるのを待った。

だが三十分が過ぎても水音は止まず、女の気配はまるでしない。

「佐藤玲奈?」

……のぼせたのか。

堀田知也は不安になり、浴室の扉まで行って軽く叩く。

それでも返事はない。

堀田知也は目元を沈めると、ためらいなく扉を開けて踏み込んだ。

湯気がもうもうと立ちこめる。大きな浴槽の中で、女は裸のまま湯に沈み、仰向けになって虚ろな目で天井のシャワーヘッドを見つめていた。細かな水滴が顔に降り注いでも、ただ受け止めるだけ...

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