第511章

ゲームセンターの入り口で、小野寺綾乃が泣いたり笑ったりしているそのとき、佐藤玲奈は通りの向かい側にあるスーパーの前に立ち、遠巻きに様子をうかがっていた。

距離がありすぎて、小野寺綾乃が何を言っているのかまでは聞こえない。ただ、泣き笑いの混じった異様な表情と、通行人がさっと距離を取っていく気配だけで、だいたいの事情は察せられた。

なぜだろう。そんな小野寺綾乃を見ていると、佐藤玲奈はふいに、初めて彼女と会った日の光景を思い出す。

病室のベッドに座っていた少女は、清楚で可憐で――大きな瞳の奥には、堀田知也への恋慕がきらきらと詰まっていた。

それが、ほんの少し前のことだったはずなのに。

あ...

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