第519章

病室で二人はずいぶんともたついてから、ようやく身支度を整え、病院を後にした。

木村直人はすでに車を回し、正面玄関の前で待っていた。バックミラー越しに見えたのは、病院の門を並んで出てくる男女の姿――妙に絵になっていて、否が応でも視線を攫う二人。

近づいてきて、木村直人はようやく気づく。二人とも服が少し乱れている。とりわけ佐藤玲奈は頬に色が差し、唇は艶やかに赤く、わずかに腫れている。目を凝らせば、さっきまでどうして時間がかかったのか、嫌でも察せてしまう。

木村直人は慌てて視線を逸らした。堀田知也たちが乗り込むと同時にエンジンをかけ、そのまま病院を離れる。

退院した翌日、堀田知也は朝早くか...

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