第520章

堀田グループの本社ビル。佐藤玲奈が手提げの食盒を持って中へ入ると、特に呼び止められることもなく、あっさりと社長専用エレベーターへ案内され、そのまま最上階まで上がった。

エレベーターに乗り込む瞬間、受付から向けられた好奇の視線に気づく。――もう、私の立場は社内に知れ渡ってるの?

これまでの「隠していた関係」とは違う。半ば公になった今の状態が、どうにも落ち着かない。胸の奥がざわついて、理由もなく息が浅くなる。

堀田知也の好意が日増しに強くなっているのは、玲奈にもわかっていた。自分もまた、確かに彼に惹かれている。けれど堀田家と、高橋亜里沙という存在は、暗がりに埋められた爆弾みたいなものだ。い...

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