第521章

翌日。佐藤玲奈が一日の仕事を終えたところへ、堀田知也から電話が入った。

「もう上がった? 外で飯、行こうぜ」

「うん」

玲奈が承諾して通話を切った、その直後――再び着信が鳴る。

「もしもし?」

「佐藤玲奈さん? 雪城夢子です」

受話口の向こうは、凛と澄んだ女声。泉が「ちりん」と鳴るように、耳に心地よかった。

「私に何か?」

「特に用事ってほどじゃないんですけど、よかったらお食事でも……お友達になれたらと思って。……もしかして、もう約束があります?」

「……」

「ないです。場所、決めてください。すぐ伺います」

玲奈は数秒だけ考え、あっさりと堀田知也より雪城夢子を選んだ。

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