第542章

山田おじいさんとの通話を切った瞬間、佐藤玲奈の顔から温度が消えた。張りつめた表情は、まるで霜が降りたみたいに硬い。

山田おじいさんの話を聞く限り、あの二通の手紙は松本おばあちゃんの文面じゃない。癖が違う。言葉の選び方も、行間の匂いも。

じゃあ、いったい誰が送ってきた? 目的は? 松本おばあちゃんは今どこにいる?

玲奈は濃い霧の底に沈んだような感覚に囚われる。周りの景色まで輪郭を失い、真相だけが遠のいていく。

……少しして、玲奈は深く息を吸い込み、乱れた心拍を無理やり整えた。いま手元にある手がかりを頭の中で並べ直す。そこで、長いあいだ見落としていた重要な一点が浮かび上がった。

「金木...

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