第560章

青海マンションを出て行った翌日、佐藤玲奈は白崎雪乃に電話をかけ、食事に誘った。

この二日ほど、雪乃は心配でろくに食べられず、眠れず、玲奈からの連絡を待ち続けていたのだ。だから電話が来た瞬間、すぐにゆったりした服に着替え、佐藤大樹に車を出してもらって約束のショッピングモール付近へ向かった。

雪乃が着いたときには、玲奈はもうずいぶん前から待っていたらしい。

「兄さん、ごめん。雪乃、今日一日だけ借りるね。遅くなるなら私が送って帰るから」

玲奈は雪乃の手を引き、笑って言った。

「わかった。ゆっくり見て回れ。俺は先に帰る」

大樹は軽く笑った。玲奈の様子は悪くない。失恋した人間の顔には見えず...

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