第568章

一か月の猶予なんて、瞬く間に消えてしまう。

早朝。佐藤玲奈はカレンダーに自分で赤く丸を付けた日付を見つめ、そっと息を吐いた。

今日は今月の最終日――あの手紙に書かれていた、彼女に与えられた最後の期限。

今では、佐藤玲奈と堀田知也は世間体のうえでは「離婚した」ことになっている。昼はそれぞれ別々に過ごし、交わることもない。けれど夜になり、このマンションへ戻れば、同じベッドで首を絡めるように求め合う。まるで、いちども離れてなどいなかったみたいに。

これって、いったい何?

私は――正妻から、堀田知也に囲われる愛人にでも成り下がったっていうの?

胸に浮かんだ推測が、どこか滑稽で。佐藤玲奈は...

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