第573章

「この方が佐藤さんね」

佐藤玲奈が茜谷未来に導かれて豪奢なリビングへ足を踏み入れると、部屋の中央に身なりの整った中年夫婦が立っていた。四十を少し越えた程度に見えるのに、顔つきはやつれ、考えごとが絶えなかったのだろう、こめかみには白いものが混じっていて、実年齢以上に老け込んで見える。

「佐藤玲奈。こちらが私の父と母。お父さん、お母さん、この人が前に話した専門家よ」

未来は淡々と紹介した。

「はじめまして。佐藤玲奈と申します」

玲奈は一歩進み、柔らかく微笑んで茜谷の父、母と順に握手を交わす。

「佐藤さん……思っていたよりずっとお若いのね」

母は玲奈を値踏みするように見つめ、抑えた声...

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