第96章

路地の屋台の横で、赤い革のミニスカートに大きなウェーブのかかった髪、派手なイヤリングを身につけた、派手で情熱的な女性が低い椅子に座りスマホをいじっていた。

「カツカツカツ」と足音が聞こえてきて、白崎雪乃は顔を上げ、やってきた人を見ると、大きな笑顔を浮かべた。

「玲奈ハニー、来たわね!」

佐藤玲奈は呆れながら白崎雪乃の隣に座った。

「そんな呼び方やめてって言ったでしょ、キモいんだから!」

「慣れれば大丈夫よ!」白崎雪乃はニヤニヤ笑いながら、声を張り上げた。「何が食べたい?おごるから払ってね」

佐藤玲奈は特に異議もなく頷いた。

思えば昨夜、白崎雪乃は鍋をおごると言っていたのに、結局...

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