第5章
莉子が弾かれたように振り返った。その顔に浮かんでいた悪意に満ちた傲慢さは瞬時に消え失せ、まるで死神を目の当たりにしたかのように血の気が引いていく。
「あ……彰……爆発の対応に追われているんじゃ……なかったの? ね、聞いて、説明させて。今のはただの……」
裏社会において、ボスの沈黙は往々にして銃声よりもはるかに恐ろしい。
普段から冷酷な暴力の気配を宿している彰の瞳は、今や黒い血が滴り落ちそうなほどに暗く、底知れぬ殺気を放っていた。
莉子はよろめきながら歩み寄り、彼にすがりついた。
「全部嘘よ……私、無理やり……誰かに言わされたの……!」
「誰に言わされた?」
「ゆ……結衣...
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