第124話私はエリックにキスをする、ドリアンは私にキスを強要する

三人の間に火花が散るような緊張が走り、息が詰まるほどだった。ドリアンの瞳には、滅多に見せないほどの激情が燃えていた。彼がじりじりと距離を詰めてくると、その皮膚の下に潜む狼の姿が透けて見えるかのようだ。エリックは身じろぎ一つしなかった。

「所有物だと?」ドリアンはエリックの言葉を繰り返し、その声は危険な唸り声へと変わった。「これが所有欲の問題だとでも言うのか? あの吸血鬼の洞窟で俺たちの間に何があったか、お前が俺にその身を完全に捧げた後で、まるで何の意味もなかったかのように、あいつのところへ行けるとでも思っているのか?」

私の心臓が肋骨を激しく打ちつけた。「ドリアン、やめて――」

「やめろ...

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