第152章「認めることの拒否」

ライラ視点

ケインの言葉が頭の中で木霊し、私はパニックに呑まれた。エレナが攫われた。私の娘、私の大事な子が、いなくなってしまったのだ。

「ドリアンはどこ?」 テントの出口へ向かいながら、私は詰問した。「彼を見つけないと」

「アルファ・ブラックソーンは最前線だ」ケインがその巨体で私の行く手を阻みながら答えた。「真夜中にヴァンパイアの大規模な襲撃が始まった。彼は何時間も戦い続けている」

やっぱり。どうしても彼に会わなければならない時に限って、連絡が取れないなんて。

『彼のところへ行かなくては』私の中の狼が必死に訴える。『エレナには私たち二人が必要なの』

「最前線に行かないと」と私は言っ...

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