第153話エリックの率直さ

ライラ視点

彼が同盟の支配をますます中央集権化しているという報告を聞いて、私は不安を覚えていた。その穏やかな物腰の裏に、何かより邪悪なものが隠されているのではないかという感覚を、どうしても拭い去れなかった。

『何かがおかしい』と、私の内なる狼が不安げに囁いた。『今や誰もが彼に従い、処刑の話をする時の目には恐怖が浮かんでいる……』

エリックは私の躊躇いを察したようだった。彼のテントに着くと入り口で立ち止まり、心から心配そうな表情を浮かべた。

「何か悩んでいるようだね」と彼は優しく言った。「大丈夫かい?」

私は無理に微笑んだ。「少し疲れているだけです。長い一日でしたから」

「もちろんそ...

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