第16章いいえ!!!私のサンプル!!

ライラ視点

あの夜、ホットスプリング洞窟での一件から二週間が過ぎていた。ドリアンと私の間には冷たい沈黙が漂い、私は図書館と研究室に閉じこもっていた。ワークステーションに身をかがめ、ウルフズベインのエキスの最後の一滴を慎重に溶液へと注ぐ。

「完璧」私は小瓶を光にかざし、懸濁液の中で舞う粒子を眺めた。

「もうすぐ終わるわ」私はそう呟きながら、溶液をラベル付きのサンプル容器に移していく。

卒業までに残っている試験は、あと二つだけ。

そうすれば自由になれる。ドリアンから、解放されるんだ。

研究サンプルを保管用のキャビネットに鍵をかけてしまい、自分の荷物をまとめた。メディカル・アカデミーの廊...

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