第17章ただのプレースホルダー

ライラ視点

私は全身全霊でその告発を否定したが、証拠は覆しがたいものに思えた。議長の後ろにある投影スクリーンに検査報告書が爛々と輝き、有毒な化合物を鮮やかな赤色で示している。

「分析結果は決定的です、ナイトフォール嬢」議長の声が公聴会の部屋に響き渡った。「あなたのサンプルには、安全基準値をはるかに超える濃度の血月の花粉が含まれています。この物質は医学研究において厳しく禁止されているものです」

「私が入れたのではありません」私は言い張った。「私がサンプルを準備したあと、誰かが細工したんです」

委員たちは疑わしげに顔を見合わせた。そのうちの一人が眼鏡を直し、眉をひそめる。

「管理の連鎖に...

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