第181話失敗した救助

ライラ視点

カレブがジョーイを救出しに出発した後、何か恐ろしいことが起きようとしているという予感が拭えなかった。不安が石のように胸に居座り、時が経つにつれてその重みを増していく。

だが、近づいてくる足音を聞くたびに、カレブとジョーイが無事に戻ったという知らせではないかと、期待に胸が躍った。

十時間が経過した。そして二十四時間。

「彼は大丈夫だ」

その日、もう百回目になるであろう地平線の監視をしていた私に、ドリアンが声をかけた。彼の逞しい腕が背後から私を包み込み、私は彼の胸に背中を預けた。

「連れて帰るって約束したの」私は囁いた。「カレブは軽々しく約束なんてしないわ」

「ああ、そう...

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