第19章スラップ・マイ・ヒップ

ライラ視点

ドリアンは助手席のドアを荒々しく開け放った。

「乗れ」彼は命じた。

私は躊躇し、足が地面に張り付いたように動かなかった。

ドリアンは痺れを切らした。私の二の腕を掴むと、ほとんど担ぎ上げるようにして車内へ押し込み、革のシートに叩きつけた。その衝撃で肺から空気が押し出される。

「乗れと、言ったんだ」

私の横で、ドアが決定的な音を立てて閉められた。

彼が運転席に滑り込んだ瞬間、車内は彼の匂いで満たされた。

道中は耐え難いものだった。二人とも口を利かなかった。

通り慣れた道だと気づいた。ドリアンがブラックソーンの領地奥深くへと続く細い山道にハンドルを切った時、行き先は明白...

ログインして続きを読む