第192章エリックの日誌 (1)

エリックの日誌

八歳

陽が昇って三時間が経った。夜明けにラテン語の動詞活用の暗唱を終え、それからレッドウッド群との交易協定を見直した。テーブルの向かいには父上が座り、その指先が羊皮紙の縁を叩いていた。僕が「パクテュム」の発音を間違えると、父上の指が止まった。

午前中の半ばには、シルバームーン群からの使節団が到着した。僕は背筋を伸ばし、両手を後ろで組んで直立した。国境警備についての彼らの質問に答え、古い法を正確に引用し、適温の蜂蜜茶を差し出した。彼らは僕を褒め称えた。「なんと落ち着いた若きアルファ様でしょう」と、使節の一人が言った。そのとき父上は、甲高く鋭い声で笑った。

彼らが去ると、父上...

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