第195章ドリアンの崩壊

ライラ視点

「私は今、待ち受ける裁きを受けるために行く。処刑場へ連行される前に、最後にもう一度だけセレステを抱きしめよう。彼女の冷たい唇に口づけし、彼女が信じてくれたような男になれなかったこと、そのすべての過ちについて赦しを乞うつもりだ」

日記の記述はそこで途切れていた。

私は革装丁の日記を閉じると、微かに震える手を見つめた。

すべてはそのために行われたのだ。愛が執着へと歪んでしまったがゆえに。

だからといって、彼の選択が正当化されるわけではない。エリックが変わり果ててしまった姿を許すことなど、何があってもできない。だが、彼をそこへ至らせた道程を知ったとき、私の胸は予想もしなかった感...

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