第196話ぜひ

ライラ視点

月食の呪いの治療法に関する医学研究論文に再び目を通していると、マーカスが病室の戸口に姿を現した。その表情は、普段になく張り詰めている。

「ライラ」彼は静かにそう言うと、ドリアンのベッドサイドにある私の椅子のそばまで歩み寄ってきた。「外で問題が」

「どんな問題?」

「病院の外にウェアウルフたちが集まっています。かなりの数です」

これだ。何週間も恐れていた瞬間が、ついに来てしまったのだ。ドリアンの容態、そして彼がパックを率いることができないという事実が、とうとう外部に漏れたのだ。ウェアウルフたちは、意識不明のアルファ、それも二度と目覚めないかもしれない者を容認したりはしない。...

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