第197章カレブの手紙

ライラ視点

ジョーイの農場へと向かう車は、ほのかに秋の色を帯び始めたオークの木々が並ぶ、曲がりくねった田舎道を進んでいった。ジョーイと私の間に置かれたチャイルドシートに座ったエレナは、目にするものすべてに興奮し、はしゃいでいる。

「見て、ママ! あの牛さん、すっごくふわふわ!」彼女は遠くの牧草地で草を食むハイランド牛を指さした。「うちでもふわふわの牛さん、飼える?」

「あれはふわふわの牛さんじゃないのよ」私は微笑みながら言った。「冬毛が生えてきてるだけ」

その間、ジョーイはずっと静かだった。丸みを帯びたお腹に、守るように手を置いたまま。

砂利敷きの私道にハンドルを切りながら、私はそっ...

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