第31章内なる痛み

ライラ視点

「全員、出て行け。今すぐにだ」

警備員や医療スタッフたちは慌ててその命令に従った。最後の看護師が出て行くと同時にドアがバタンと閉まり、壁に押し付けられたままのデレクと私たちだけが部屋に残された。

ドリアンが手を離すと、デレクは胸が悪くなるような鈍い音を立てて床に崩れ落ちた。デレクが這って逃げようとする隙も与えず、ドリアンの革靴が彼の脚に振り下ろされる。パキッという鋭い音が響き、私は思わず身をすくませた。デレクの悲鳴は、彼が唇を強く噛み締めたことで途切れた。

「跪け」ドリアンが命じた。

デレクは必死に命令に従おうともがいた。折れた脚は力が入らず惨めに引きずられ、額には苦痛に...

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