第39章ライラがいなくなった!

ライラ視点

ローグたちは私を森の奥深くへと引きずっていった。松の枝が顔を打ち、パーティーの喧騒は背後で遠いざわめきへと消えていった。

「放しなさい!」私は唸った。

灰色の狼が笑った。「そう急ぐなよ、子狼ちゃん。お楽しみはこれからだ」

彼らは私を小さな開けた場所へと引きずり込んだ。小柄な方のローグが私を膝まずかせた。吸血鬼は音もなく私の背後に立ち、その冷たい気配に私の中の狼は恐怖に後ずさった。

「面白いことが分かるか?」灰色の狼がゆっくりと私の周りを歩き回る。「お前の匂いだ。ただの狼じゃない。お前からは……」男は身を乗り出し、深く息を吸い込んだ。「ブラックソーンの匂いがする」

全身の...

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