第49話長引くセラフィナ

ライラ視点

ガンマは恭しい態度を崩さぬまま部屋に入ってくると、直接ケイレブに話しかけた。

「ケイレブ・シルバーウッド」彼は改まった口調で言い、小さな小瓶を取り出した。「アルファの世継ぎ様から、この薬をお届けするよう命じられました。見回り(パトロール)で負った怪我による視力の問題、目の変色は、治療で改善されるはずです」

私の非難の言葉は喉の奥に消えた。そうだったのか。ケイレブの目が金色に光っていたのは、彼がアルファだからではなく、怪我が原因だったのだ。羞恥心がこみ上げ、頬が熱くなった。

「本当にごめんなさい」私は慌てて言った。「見回りの時に怪我をしていたなんて、知らなくて。てっきり私は―...

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