第50章インプリズン

ライラ視点

オークションが再開されると、エリックは心から心配そうな顔で私の表情をうかがい、隣の席に滑り込んできた。「研究仲間を見捨てるべきではありません」と彼は毅然として言った。

競売人の声がホールに響き渡り、次から次へと出品物が熱心な群衆の前に披露される。希少なムーンストーンの宝飾品、古代の狼に関する古文書、自らの内なる光で輝く儀式用の短剣。ある一品が私の注意を引いたとき、私は魅了されて身を乗り出した。

その彫刻は、まるで霊妙なエネルギーで脈打っているかのようだった。その珊瑚の構造は、私が医学研究で出会ったどんなものとも異なっている。結晶質の構造体を光が透過する様子は、単なる美しさを超...

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