第6章自分を直せ
ライラ視点
「身なりを整えろ」
彼は私に目を向けもせず、冷たく言い放った。
「一匹狼の臭いがするぞ。惨めだな」
その非難は、私を傷つけるためだけの意図的な嘘だった。何年も前に彼によって刻印された私から、一匹狼の匂いなどするはずがない。それは、私たち二人ともが知っていることだった。
『嘘つき』と、私の内なる狼がくんくんと鼻を鳴らした。『一匹狼の匂いなんてしない。ただ私たちを傷つけたいだけよ』
『わかってる』と、私は小声で応じる。『でも、戻らなきゃ。この茶番を最後まで演じきらないと』
屋敷へと戻る道は、果てしなく感じられた。まだ彼の味を舌に感じ、彼の侮蔑が物理的な重みとなって私の両肩にのしかかっているようだった。丁寧に塗った口紅は修復不可能なほどにじみ、優雅に結い上げた髪はほどけてしまっていた。
家族の集まりに再び合流したとき、私は誰にもじろじろ見られないよう、うつむいていた。だが、クララの母親としての鋭い勘はごまかせなかった。
彼女の視線が、私の乱れた姿――彼女の息子と私の間に何があったかを物語る明らかな兆候――を捉えるのがわかった。しかし、その表情に浮かんだのは非難ではなく、嬉しさと気まずさが入り混じったような戸惑いの色だった。
「あら、まあ。ブラックソーン家に、もうすぐ子狼たちがやってくるのかしら」
彼女の言わんとすることを悟り、私の頬に熱が殺到した。ドリアンの匂いはまだ私の肌にまとわりついており、まともな感覚を持つ狼なら誰にでもわかるはずだった。
『彼が私たちを愛してると勘違いしてる』と、私の狼が悲しげに言った。『これが何か良いことの前触れだと』
『そう思わせておけばいい』と、私は疲れた声で答えた。『少なくとも、この家にはハッピーエンドを信じている人がいるんだから』
『この絆に終了期限があることも知らずにね』と、私の狼は苦々しく吐き捨てた。
この世界における一般的な番(つがい)とは異なり、私たちの「試しの絆」は、真の番の絆がもたらす永久的な魂の結合なしに、番としての外見を与えるだけだ。しかし、ドリアンは私と完全な番になるための儀式を執り行うことについて、一度も口にしたことがない。オーウェンがアルファの座を降りるまでの四年間、そしてその後は双方の合意による拒絶で、この絆は解消できるのだ。
オーウェンが、彼らしい温かさで近づいてきた。「どうしたんだね、お嬢さん。少し顔色が悪いようだ」
「私がこの世を去る前に」と、クララがそっと言った。「シルバームーンの群れに新しい命が誕生するのを見届けたいわ。ブラックソーンの血筋は続かなければならないし、きっと……」彼女は意味ありげに私の首元に視線を向けた。「私たちが思うより、早くそうなるかもしれないわね」
彼らの無邪気な憶測に、喉が締め付けられた。この人たちは心から私を気遣い、家族のように扱ってくれている。間近に迫った拒絶の儀式の重みが、私を押しつぶしそうだった。
「おそらく、すぐに子狼は生まれるだろう」
背後からドリアンの声がした。
私は彼の視線とかち合うことを予期して振り返ったが、彼の琥珀色の瞳はまったく私を見ていなかった。その代わり、彼は入り口の方を向いていた。そこには、見慣れた人影が現れたばかりだった。
セラフィナ・クリムゾンが、戸口に絵のように立っていた。彼女の金色の髪は、松明の光を浴びて紡がれた絹のように輝いている。その瞳の色を完璧に引き立てる、体にフィットしたエメラルドグリーンのドレスを身にまとっていた。
クララが言った。「今夜、他にお客様がいらっしゃるとは伺っておりませんでしたが」
オーウェンが妻の隣に立った。「クリムゾン嬢」と、彼は儀礼的に言った。「招待状をお送りした覚えはないのだが」
クララとオーウェンは、群れの中で最もセラフィナを嫌っている夫婦だった。
セラフィナの笑みは揺るがない。「ドリアンが個人的に招いてくれたの。そうでしょう、ダーリン?」
すべての視線がドリアンに注がれると、彼はわずかに背筋を伸ばした。「もちろんだ」と、彼は滑らかに言った。「セラフィナはいつでもブラックソーンの領地で歓迎されている」
クララとオーウェンから放たれる緊張は明白だったが、彼らは公の場で息子に反論するほど無作法ではなかった。
「それは……ご親切に」と、クララは言った。「ですが、次回からは、事前に知らせていただけると助かりますわ」
ドリアンは母親のさりげない非難を意に介さず、セラフィナの方へ歩み寄った。「飲み物のテーブルへ案内しよう」と、彼は彼女に腕を差し出した。
二人が連れ立って去っていくと、オーウェンの年季の入った手が私の手を優しく握った。
「気にするな、お嬢さん」と、彼はささやいた。「他人の食卓からおこぼれを漁ろうとする狼は常にいるものだ。ここに本当に属しているのは、君なのだから」
クララが力強く頷いた。「属していると言えば、あなたの奨学金更新を早めにお祝いしなくてはね。ルナリス博士から、あなたの研究は卓越していると連絡があったわ」
「おめでとう」と、オーウェンが付け加えた。「君の医療の才能には、誰もが感心させられ続けている」
さらに客が到着し始め、集まりは本格的な社交モードに移行した。会話は事業計画や学術的成果、群れの政治へと移っていく。
年長の群れのメンバーから心からのお祝いの言葉を受け取っていると、給仕用の入り口の近くで何かが動くのが目に入った。スタッフの服を着た女性が、通用口から足早に去っていく。だが、その横顔に見覚えがあるような気がした。
私の狼の感覚が、瞬時に鋭敏になった。あの匂い……。
私は深く息を吸い込み、混雑したホールに満ちる複雑な香りを選り分けた。杉の煙、高価な香水、革、ワイン……そして、何か別のもの。薬のような。消毒薬の匂い。
ブラックウッド博士。
その事実に、氷水を浴びせられたような衝撃が走った。私を贈収賄で告発し、母のネックレスを罪の証拠であるかのように掲げたあの女が、ここにいる。ブラックソーン家の私的な集まりに。
『なぜ彼女がここに?』と、私の狼が問い詰め、その狩猟本能が燃え上がった。『町を出たはずなのに!』
考えるより先に、私は給仕用の入り口に向かって動き出していた。集まりからそっと抜け出し、消毒薬のかすかな残り香を追って、屋敷の裏庭へと向かう。満月がすべてを銀色の光で照らし、私の内なる狼が突き上げ、私たちの共有する感覚へのアクセスをさらに求めてきた。
『私を出して』と、彼女は懇願した。『変身する必要がある。狩りをしなきゃ』
残り香はだんだん薄くなり、夜の空気に紛れていく。人間の姿のままでは、数分もしないうちに完全に見失ってしまうだろう。しかし、もし変身すれば……。
『やるのよ』と、私の狼が促した。『真実を見つけて』
私が意識的に決断を下す前に、骨が軋み始めた。
『狩れ』
変身が始まり、周囲の世界が鮮やかな明瞭さで研ぎ澄まされていく中、私の狼が命じた。
