第61話マイ・フォーエバー

ドリアン視点

ムーンシャドウ中央病院で開かれた医学会は、群れのメンバーに対する新たな治療プロトコルに焦点を当てた、ありふれたものだった。俺はプレゼンテーションに半分耳を傾けながらも、頭の中は縄張り争いや、アルファであることに伴う果てしない責任でいっぱいだった。

「ところで、おめでとう」会議が終わり、立体駐車場に向かって歩いていると、ジャックスが言った。「噂は聞いたよ。ライラと家族を増やすなんて、そろそろだとは思ってたがな」

俺は足を止めた。「何の噂だ?」

ジャックスの表情が、気軽なものから困惑へと変わった。「妊娠のことだよ。てっきり知ってるもんだと。マルティネス医師が、お前の番の妊婦検...

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