第79章対決は失恋に終わる

ドリアン視点

拒絶の儀式から二ヶ月が過ぎた。

俺は執務室に座り、カレブが国境警備の状況を報告するのを聞いていた。彼の声が耳元でブンブンと鳴っていたが、集中するのは困難だった。あの日以来、すべてが機械的な作業と化していた。俺は稼働し続けるマシンのように機能していたが、心の中は空っぽだった。

「哨戒班が東の国境で、吸血鬼の痕跡をさらに発見しました」カレブは言った。「あの地域の警備を増やすことを提案します」

俺は頷いた。「許可する。他には?」

カレブはためらい、深く息を吸い込んだ。「ドリアン、またライラのことについて話したいんです」

書類の上を走る俺の手が止まった。「その話題はもう済んだ...

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