第百十一章 近藤を連れて故郷へ帰る

鳳一輝は、近藤と鳳美桜に対する苛立ちとどうしようもなさに沈み込んでいた。

――そのとき。

鳳咲夜が、にやにやと悪だくみ顔で笑っているのが目に入った瞬間、胸の奥で警報が鳴り響く。嫌な予感が、ぞわりと背筋を這った。

反射的に胸を抱き、椅子ごと少し後ずさる。

「お、おおお……お前、何する気だよ!? 咲夜、俺は兄貴だぞ! 兄貴をハメるな!」

鳳咲夜は堪えきれず「ぷっ」と吹き出し、ひらひらと手を振った。

「お兄ちゃん、何それ。大丈夫だって。今回はほんとにちょっとしたお願い。お兄ちゃんにとっては朝飯前だし……うまくいけば、鬱憤も晴らせるかも」

「鬱憤?」

鳳一輝の耳がぴくりと立つ。

「...

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