第113章 行こう、私の騎士様

鳳咲夜は椅子に押さえつけられるように座らされ、周りを取り囲んだメイクスタッフたちに、スキンケアだけで何重にも手をかけられた。そこまで終えて、ようやく――メイクの本番が始まる。

「鳳さん、目を閉じてください。ベースから入りますね」

チーフメイクが穏やかな声で告げる。

鳳咲夜はどうしようもなく息を吐き、観念したように目を閉じた。

まるで熱量の高い芸術家たちに包囲され、髪の一本から爪先まで「改造計画」に組み込まれている気分だ。

けれど、断れない。

宝生尊のこの大袈裟な段取りには内心「やりすぎだ」と思う。だが彼が望んでいるのは、ただひとつ。

今夜の、あの大切な場で。彼女に一切の失敗も、...

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