第百十四章 軽蔑していたのに欲しくてたまらなくなった

宴の前半が終わる頃には、宝生尊はほとんど鳳咲夜専属の“広報担当”と化していた。

普段なら鼻持ちならないほど高慢で、話しかけるにもまず五十嵐修の顔色を窺わねばならない宝生尊が、今日はどうしたことか、やたらと饒舌だ。

鳳咲夜の手を引き、香水と宝石のきらめく人波の中をひっきりなしに行き来しては、財界の重鎮だの名流の大先輩だのに、わざわざ自分から彼女を紹介して回る。

口の軽さというか、言葉の多さというか――見ている側が思わず吹き出しそうになるほどである。

宝生尊と古くから付き合いのある年上連中は、遠目にそれを見つけると、何も言わず顔を覆った。いっそ知らないふりをしたい、とでも言いたげに。

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