第117章 もう君を傷つけさせない

鳳咲夜は鳳美桜にスマホをひらりと見せつけると、隣の給仕へ視線を移した。

「悪いけど、スクリーンを借りるわ。このファイル、映して」

「かしこまりました、お嬢様」

ほどなく、影山陽斗から届いたファイルが大スクリーンに投影される。

――いくつもの動画だった。

最初の一本。

幼い鳳咲夜が、数人の使用人に壁際へ追い詰められ、怒鳴られている。

『泣くな泣くな! 何がそんなに泣きたいの!? たった二食抜いただけでしょ! こっちは忙しいんだよ。腹減ったなら冷蔵庫から勝手に探して食べな!』

小さな鳳咲夜は隅で縮こまり、ちいさな手で必死に涙をぬぐっていた。顔は半分ほどしか映っていないのに、眉や目...

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