第百二十二章 君を傷つけてしまうのが怖い

宝生尊は鳳美桜に連れられ、ホテルの上階の客室へと上がっていた。

鳳咲夜が部屋へ踏み込んだ時には、鳳美桜はすでに取り押さえられている。

それでもなお、悔しさで顔を歪め、口汚く喚き散らしていた。

けれど――鳳咲夜が無傷で目の前に現れた瞬間、鳳美桜は息を呑み、その場で固まった。

「な……なんであんたがここにいるの!? そんなはず……!」

悲鳴に近い声。

鳳美桜は確かに見たのだ。鳳咲夜が、あの三人の男に隣の部屋へ引きずり込まれるところを。

本来なら、今ごろ鳳咲夜は名誉も何もかも地に落ち、みっともなく泣き叫んでいるはず――。

それがどうして、平然と立ち、死人を見るような目でこちらを見下...

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