第137章 すり替え赤子事件

鳳咲夜の眼が鋭く細まった、その瞬間だった。

前から仕掛ける気でいた槇武一が、近藤の足元に転がる小石を狙って、思いきり蹴り飛ばす。

小石は寸分違わず、近藤の脛の急所に当たった。

「ぐあっ!」

不意を突かれた近藤は、酸っぱく痺れるような激痛に脚が言うことをきかず、反射的に体が傾く。鳳宗一郎の腕を締め上げていた力が、がくんと抜けた。

同時に――鳳咲夜が飛び込んだ。

矢のような踏み込み。手刀を振り下ろし、近藤の肘の内側へ容赦なく叩き込む。

「っ……!」

腕が一気に痺れて力が抜ける。指がほどけ、短刀がカラン、と床に落ちた。

鳳宗一郎の反応も早い。拘束が緩んだ刹那、全身の力を込めて後ろ...

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