第百五十三章 お前たちは誰も彼らを傷つけることは許さない

車は、静まり返った夜の闇を滑るように走っていた。窓の外の景色は、街のきらめく灯りから、郊外のまばらな明かりへと移り、やがて音も光も吸い込むような黒に沈んでいく。

青松療養院――その名の施設は、鳳咲夜が想像していた以上に辺鄙な場所にあった。

一時間あまりして、車は大きな鉄門の前でようやく停止した。

鳳咲夜は周囲を見回す。

外周を囲む高い塀。外から眺めるだけで、胸の奥がじわりと重くなる圧迫感があった。

槇武一がエンジンを切り、低い声で言う。

「ボス、着きました」

鳳咲夜は目を開けると車を降り、槇武一に小さく頷いた。

「行くわ。中へ」

二人で鉄門の前まで歩き、槇武一が呼び鈴を押す...

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