第154章 事の裏に別の事情がある

鳳咲夜の胸が、どくんと跳ねた。呆然と鳳達司を見つめる。

「来るな! あっち行け! みんな出ていけ! 誰も俺の兄貴と義姉に手ぇ出すな! 消えろ! 消えろよ!」

鳳達司は目を見開いたまま、前方を凝視している。まるで、そこに“何か”がいるかのように。

「達司、私よ。私……ほら、よく見て。義姉よ……!」

鳳咲夜は慌てて立ち上がり、声をできる限り柔らかくした。けれど大きな動きはしない。刺激すれば、余計に悪化する。

「大丈夫。ほら、ここは安全。誰も私たちを傷つけたりしない。誰も――」

「嘘だ!」

鳳達司が、ばっと振り向いた。

「ずっといるんだ! あいつらは逃がしてくれない! うちの全部を...

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