第16章 乱搞

鳳美桜は胸の奥がぱっと明るくなった。涙をいっぱいに溜めて顔を上げると、階段の上にいる鳳咲夜へ、わざと挑むような視線を投げる。けれど表情は怯えたふりのまま、慌てて両手をぶんぶん振った。

「ち、違うの兄さん! 本当に違うの! 咲夜ちゃんが押したんじゃないの! お願い、咲夜ちゃんを叱らないで!」

――その直後。

鳳一輝は氷みたいに冷えた声で言い放った。

「鳳美桜、お前は度が過ぎる」

「……え?」

鳳美桜の作った泣き顔が、そのまま固まった。信じられない、という目で鳳一輝を見る。

鳳一輝は彼女を一瞥すらしない。足早に階段を上がり、鳳咲夜のそばへ行くと、声を落として訊いた。

「大丈夫か。...

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