第百六十五章 背後の者は女だ

五月優和の頬がぴくりと引きつり、泣きそうな顔で鳳咲夜を見た。

「ぼ、僕は知らないんです……」

「知らない?」

 鳳咲夜はすっと眉を上げた。次の瞬間、その目つきが冷えきる。

 脇に控えていた槇武一が、間髪入れず一歩前へ出た。大柄な体が五月優和へ影のように迫る。

 その構えからして、鳳咲夜がひと言命じれば、砂袋みたいな拳が容赦なく飛ぶ――そう見えた。

「や、やめてください! 殴らないで! 話します、話しますから!」

 五月優和は肝を潰し、必死に身を後ろへ引いた。

「ごまかしてるんじゃないんです! 本当に知らないんですよ、鳳さん! 信じてください!」

 鳳咲夜は鼻で笑った。

「...

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