第百六十六章 まるで海で針を探すようだ

「女……?」

鳳咲夜は眉をきゅっと寄せ、声が思わず跳ね上がった。

だが次の瞬間、彼女は致命的な矛盾に気づく。

「待って」

五月優和の言葉を遮り、灼けるような視線で睨み据えた。

「当時、小叔父さんに薬を盛って療養院に入れたのは――家産を狙ってた例の従伯父でしょ。後で公金横領がバレて逃亡、逮捕されて実刑まで食らった。なのに、どうして急に『女』になるの? あんた、私をはぐらかしてる?」

五月優和は彼女の圧にびくっと震え、首を襟の中へ引っ込めた。泣きそうな顔で叫ぶ。

「ほ、本当に知りません、鳳さん! 従伯父が横領だの何だのって……俺みたいな端っこが、そんな内輪の話を知れるわけないでしょ...

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