第百六十九章 催婚はやはり避けられない話題だ

宝生奈々枝がにこにことした顔をひょいと覗かせた。

「尊、咲夜、起きて朝ごは――あら」

 声が、ぴたりと止まる。

 ベッドの上で二人がもつれ合っているところを、宝生奈々枝はしっかり見てしまった。

 鳳咲夜の体が瞬時にこわばった。頭の中は真っ白。とっさに宝生尊を突き飛ばすことさえ忘れ、戸口に立つ宝生奈々枝の満面の笑みをぽかんと見つめる。頬はみるみるうちに赤く染まり、耳まで一気に火がついた。

 それに比べて、宝生尊はずいぶん落ち着いていた。

 手を離すどころか、その体勢のままふっと顔を横へ向け、平然と宝生奈々枝に声をかける。

「おばあちゃん、おはよう」

「ええ、おはよう、おはよう!...

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