第172章 薬はあの人の身にある

鳳咲夜はすぐさま松本を呼びつけた。

「昨日の朝、本館で動いていたのは誰?」

松本は記憶を丁寧にたどり、答える。

「私と砂本、伊室、それから厨房の者が二人です。奥様は静かなのがお好きでして……大掃除でもない限り、本館に使用人を大勢入れません。まして朝は、いつも最小限です」

「一昨日の夜、本館に誰か入った? それと、昨日の朝に開錠してから――あなたたち以外に、誰か入った?」

「絶対にありません」

松本の声音には迷いがなかった。

「私と伊室は身の回りをお世話する係で、夜も本館に泊まります。夜間は施錠して、窓も閉め切っています。侵入対策です。それに電子警備は私のリストバンドに直結してい...

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