第182章 言えば言うほど混乱するほどいい

背後から不意に声をかけられ、小間使いはびくりと全身を震わせた。勢いよく振り向き、相手が小木だと分かると、ようやく胸を撫で下ろして胸元を押さえ、むくれたように言う。

「小木様! びっくりするじゃないですか! 足音もしないんですもの!」

小木は人差し指を唇に当て、しっ、と合図した。それから彼女の腕を引き、廊下の端へ連れていく。

「悪い。音を立てたら、上のあの方に気づかれる。さっき、あいつに捕まってずいぶん話してたな。何を言われた?」

小間使いの顔から慌てた色は消えていた。問いかけられると表情を引き締め、声を落として、鳳美桜に言われたことを一つ残らず小木へ伝えた。

小木は聞き終えると、静...

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