第183章 まさか君にこんな腕前があるとは

深夜の瑠璃の館、その書斎だけはまだ灯りが落ちていなかった。

鳳咲夜の前には数枚の書類が広げられている。だが視線はどこか宙をさまよい、指先が無意識に机をとん、とん、と叩いている。心がここにないのは明らかだった。

控えめなノックが響く。

「入りなさい」

扉が開き、槇武一が足早に入ってくる。

「お嬢様、対象は無事に確保、連行完了です」

鳳咲夜は顔を上げた。

「位置は割れた?」

槇武一は頷き、懐からタブレットを取り出すと手早く操作し、電子地図を表示して画面を彼女に向けた。

「こちらです。こちら側が埋め込んだマイクロチップの信号が、今――西院を指しています」

指先が、赤く点滅する一...

ログインして続きを読む