第187章 この人はとても賢い

この炭鉱は規模こそ大きい。だが外観だけでも、素人目に施設の老朽化と劣悪な環境が一目で分かった。

夕暮れ時だというのに、坑口からは今も作業員が次々と吐き出されてくる。

顔は煤で真っ黒、衣服はぼろぼろ、足取りは重い。

鳳咲夜がさらに衝撃を受けたのは、その中に女が相当数混じっていたことだった。

少し離れた場所に、監督役らしい男が腰を下ろしている。手には細い棒。振り回しながら唾を飛ばし、数人の女工に下品極まりない言葉で怒鳴り散らしていた。

女工たちは俯いたまま、何も言わない。ただ黙々と、廃鉱石を運ぶ手だけを速める。

槇武一は鳳咲夜の視線を追い、声を落とした。

「ボス、見ての通りです。普...

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