第190章 鳳家お嬢様の身分は価値がある

「……誰!?」

鳳咲夜が振り返る。だが、夜の帳に沈んだ鉱区の外は、やけに静かだった。道はがらんとしていて、頼りない街灯が数本、遠くに車のライトが点々と揺れているだけ。人影も、不審な車も見当たらない。

――気のせい?

いや、違う。

鳳咲夜は自分の勘を疑わない。ほとんど本能に近い警戒心だ。

さっきの一瞬、背中に貼りつくような冷たい視線を、確かに感じた。間違えるはずがない。

胸の奥で警鐘が鳴り響く。

あと一歩で、この致命的に重要な情報を持ち帰れる。こんなところで、すべてを台無しにするわけにはいかなかった。

本当は鉱区の近くで大事にしたくなかった。騒げば騒ぐほど、余計なものまで引き寄...

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