第192章 あなたが私についてくればいい

鳳咲夜は瞳孔をきゅっと縮めた。次の瞬間、うなじに鈍く重い一撃が叩き込まれる。

視界が真っ黒に沈み、意識が途切れた。

――どれほど経ったのか。

鳳咲夜はようやく、ゆっくりと目を覚ました。

反射的に身じろぎした途端、左脚と後頭部に鋭い痛みが走る。重たいまぶたをこじ開けると、焦点の合わない視界がしばらく揺れ、ようやく輪郭が結ばれた。

目に入ったのは、がらんとした廃工場だった。

両手は背中で縛られ、硬い木椅子に座らされている。左脚のズボンは途中まで裂かれ、分厚いガーゼが巻かれていた。応急処置だけはされているらしい。

鳳咲夜は痛みに耐えながら首を回し、周囲を探る。

そして、正面で視線が...

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